雑記

「指導」と「パワハラ」、そして「フィードバック」

「ハラスメント」の境界線は受け手の感じ方に委ねられている

なんでも「ハラスメント」になる現代。
社会人歴が長い皆様におかれましては、いったいどこまでが「指導」で、どこからが「パワハラ」になってしまうのか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか…。

今の私がまさにそれ。後輩が業務上で「やらかしてしまった」ことに対して、少し強く言いたいのだが、もし「それパワハラですよね」って言われたら…と考えると怖くて言えない。

「ハラスメント」って、明確な境界線がなくて、言われた(された)本人が「これはハラスメントだ」って思えば、それはハラスメントに認定される。子どもの頃の「いじめ」と似たような感じだよね。(私も中学生の頃、結構な「いじめ」に遭っていたけれど、今思い返せばいじめっ子たちがはたして「これはいじめだ」と認識してやっていたのかは分からない。もしかしたら、ほんのふざけ心でやっていただけなのかもしれない)

これが難しい。ハラスメントの境界線を越えるか否かは、受け手の感じ方に委ねられているのだ。

私はなんでもかんでもハラスメントですよね、って言われるのが怖くて、ビビりすぎなんだと思う。…ということで、改めて「ハラスメントの定義」について調べてみた。

パワハラの定義

ハラスメントの定義について、ググってみたところ、こんな記事があった。

職場のパワーハラスメントにあたる可能性がある行為としては、以下の6つがあります。

1. 身体的な攻撃
2. 精神的な攻撃
3. 人間関係からの切り離し
4. 過大な要求
5. 過小な要求
6. 個の侵害

さらに、厚生労働省の雇用環境・均等局によって「以下の①~③の条件をすべて満たすもの」がパワーハラスメントにあたると定義されています。

① 優越的な関係のもとに(優位性を背景に)行われる
② 業務の適正な範囲を超えて行われる
③ 身体的/精神的苦痛を与える、または就業環境を害する

たとえば、「新入社員を教育するために別室で研修を受けさせる」ことは「3. 人間関係からの切り離し」にあたるものですが、これは業務上の適正範囲内と考えられる(条件②に当たらない)ためにパワーハラスメントには当たらないと考えられます。

https://www.ashita-team.com/jinji-online/business/5429

ふむふむ、定義を改めて知ることは、勉強になる。振り返ると、私は、「2.精神的な攻撃」になってしまうんじゃないかと恐れ、言葉選びにめっちゃ慎重になっていたな。でも、次のパラグラフの①~③に該当することは、やっていないな。

でも、フィードバックの仕方には依然として難しさを感じる

私がやっていることはハラスメントには恐らく該当しない、ということは分かった。これは安心してもいいだろう。じゃあ、次なる問題は何かというと、そう、「フィードバックの仕方」である。

企業組織は仲良しクラブではないから、「是正したほうがいい」と思う事柄についてはきちんと伝えなければならない。万年「いい人」から抜け出せなかった私は、常々、耳当たりのいい言葉を選んで伝えてきてしまったがために、受け手に届かない(もしくはナメられる)ことが多かった。

そこで参考になったのは、中原淳先生の『駆け出しマネジャーの成長論』と『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』の2冊。この2冊に共通しているのは、

  • 指導は、「個人」ではなく「役職」としての立場として行うものであるから、「これを言ったことで、相手に嫌われてしまったらどうしよう…」などという心配は一切捨てる。
  • 耳の痛いフィードバックをしたあとで、フォローしようと優しい言葉をかけない

ということ。うーん、言われてみれば確かにそうなんだよね。
人材開発・組織開発を研究されている中原先生のこれまでの研究結果を書籍として客観的に示されると、安心できる。読後、私が実際に行えているか?は疑問符だが。

マネージャーという立場に足を突っ込んで数年。これから何十年もの社会人人生をかけて、右往左往しながら学んでいくんだと思う。

人生、いつまでも勉強である。

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まるこさん
こんにちは。まるこです。36歳、都内で会社員をしています。本業だけの収入に頼らない「複業」を模索中。「まるこの読書会」首都圏で開催しています。読書 / ヨガ / 学び大好きです。 詳しいプロフィールはこちら