「最近、どんな本を読みましたか?」「おすすめの本はありますか?」私がよく聞かれる質問。
読書会を開催したり、Twitterでの読書記録をアップしたりと、「まるこ」は読書好きなキャラクターなので、本に関する質問をされると嬉しくてたまりません。
さて、今月も、一生大事にしたい本に出合ってしまったんです。
『死ぬ瞬間の5つの後悔』

それは『死ぬ瞬間の5つの後悔』。著者はオーストラリア出身のブロニー・ウェアさん。
ブロニーさんは、毎日、同じ場所で同じ時間働くという金融機関での仕事に違和感を覚えました。そして、家賃をかけずに、自由に生きたいという思いからたどり着いた、在宅での仕事。それは、死が近づいた患者の末期ケアでした。
本書では、ブロニーさんが実際に看取ってきた患者さんたちが死を直前にして話した、「人生で、これをやっておけばよかった」という後悔の言葉を知ることができます。
では、具体的に5つ、何を後悔するのか。
題名にもある『死ぬ瞬間の5つの後悔』とは、
「自分に正直な人生を生きればよかった」
「働きすぎなければよかった」
「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」
「友人と連絡を取り続ければよかった」
「幸せをあきらめなければよかった」
の5つ。
読んで、ズキッとした方も多いのではないでしょうか?

死ぬ間際に「もっとお金を稼げばよかった」「あれを買っておけばよかった」と漏らす人は一人もいないんですって。
確かに、墓場まで「地位財」は持っていけないですし、私たちが本当に時間と心、そしてちょっぴりのお金を注ぐべきなのは、人とのコミュニケーションに対して、なのかもしれないですね…。
「地位財」に流されまくっていた過去の自分が恥ずかしくなってしまいます…。
死を間際にした人の言葉は、尊い
ブロニーさんがこれまでに看取ってきた、幾人もの人々が残したメッセージ。死を間際にした人々の言葉は、なぜ、こんなにも尊く、すっと心の中に入ってくるのでしょうか。
死を取り扱ってはいるものの、決して、悲壮感が終始漂う本ではありません。それは、著者ブロニーさんだからなせる業なのかも?なんて考えながら読んでおりました。…というのも、
- 患者たちが徐々にブロニーさんに心を開いてくる様子
- 年を重ねてスレてしまった心の皮がどんどん剥けて、最後にはピュアな「人間」そのものにかえる様子
が本当に色鮮やかに描かれていて、死に近づく人のお話なのにも関わらず、まるでつぼみが花開く瞬間を見ているようです。
この本は、みんなに読んでほしい
私の祖母は、87歳で存命。母は、そろそろきちんと、母の母(つまり私にとっての祖母)を向き合わないと、と考えているようです。
その時のための心の準備になればいいな、と思い、同じ本をプレゼントしました。(母自身も、第二の人生を後悔しないように生きてほしい、という思いも込めて。)
電子書籍は出ておらず、紙でしか読むことが出来ないのも、なんだかアナログであたたかくて好きです。
この本と出会ったきっかけは、荒木マスターの『ビジネス書図鑑 これからの教養編』。『ビジネス書図鑑』を買っていなければ、この本と出会うことはずっとなかったことでしょう。
本との出会いは偶然。いつどこで何が響くか分からないものです。
このブックレビューで、少しでも興味をそそられた方は、ぜひ実際にお手にとって読んでみてください。きっと、大切な1冊になると思います。
それでは、良い読書ライフを!