読書録

【読書録】『仮想人生』心えぐられる文章と、あたたかな読後感。

『仮想人生』それは、読後、少し上を向いて歩きたくなる小説

『自分を取材するNight』で先行販売されていた『仮想人生』

はあちゅうさんの最新小説『仮想人生』

先日の『自分を取材するNight』(イベント参加レポは、ブログ最下部の過去記事リンクをご覧ください)で、部数限定・先行販売されていたので、飛びついて購入。

そして、この冬休みに一気読み。

まだ発売前の小説のため、これから読む方の楽しみを奪わない程度に、感想を残そうと思う。

私が勝手に『仮想人生』をオススメするなら、こんな「なんだろう?」を抱えている人。

  • 人生ってなんだろう?
  • 愛ってなんだろう?
  • 信頼ってなんだろう?
  • お金ってなんだろう?
  • 夫婦ってなんだろう?

つまり…。

皆さんに、読んでほしい。

この『仮想人生』、誰の心にも訴えかける何かがあると思う。

舞台は、Twitter

5人の男女が裏垢から繰り広げるストーリー

最初は、本当に自分の傷を癒すつもりで、とか、本アカウントで身バレしたくない、という目的で作った裏アカウント。

  • 「人妻の美香」:仕事を理由に夫が帰ってこない寂しさから、セックスレス・人妻の裏垢を作った33歳・専業主婦。
  • 「圭太」:ナンパの戦績を残すために裏垢を作る23歳・男性・アルバイト。
  • 「ナオ」:イケてない外見、だけど趣味の鉛筆画を公開した途端にバズった20歳・男性・大学生。
  • 「ねね@童貞ハントFカップ:過去のトラウマから過食嘔吐を繰り返す。裏垢で童貞大学生を誘う42歳・会社員・女性。
  • 「暇な医大生」:裏垢で医大生を名乗り、「パクツイ」を連発、フォロワー8万人の21歳・男性・大学生。

この主人公設定からして秀逸。だって、本当に実在しそうなのだ。

日常的にTwitterに触れている私は、今、読んでいるのが現実なんだか小説の世界なんだか錯覚する。

現に、「ねね」「人妻の美香」をはじめ、登場人物全員のTwitterアカウントが実在する。

『#仮想人生』を含んだ発信をすると彼女たちがフォローしてくれる。

「小説×SNS」この試み、すごく今っぽいよね。

心をえぐられるような描写が多く、30代の私にドンピシャ! 

この小説、30代の私にドンピシャだった。

はあちゅうさんが同世代だからだろうか?なんだかすごく響く言葉が多いのだ。

私の心に刺さった言葉を一部抜粋してみる。 

『方向性のない自分を呪うのは30代でやめた。誰かと生きる人生は、自分一人の意思ではどうにもならないのだから、流れに任すしかない。40代に突入したら、覚悟も決まった気がする。』

『このまま何も考えなくても、年ばっかりとっていくよね。それはわかってるんだけど……。なんかもう、最近、自分の弱さばかりが身にしみる。弱くても戦っていたら、いつか強くなれるかなぁ

「人生はこうあるべき」というレールをどんなに慎重になぞっていても、ある日突然不可抗力でレールから外れてしまう。自分の意思とは裏腹に。』 

ね。

なんだか、いつも心の中でモヤモヤと感じていて、でも自分の語彙力の無さから文字に表すことができなかったものを、主人公がぜんぶ言葉にしてくれている。

自分のモヤモヤが、字面になっているのを見ると、なんだか安心する。

私だけが、このモヤモヤを抱えているわけじゃないんだ、と思ったんだよね。

無機質なSNSという仮想空間と、現実の行き来。

最初はTwitter 上での交流だったのが、徐々に、主人公たちが複雑に、そして優しく、オフラインでも混ざり合っていく。

その交錯が、とてもあたたかく、人間味に溢れている。

インターネットを当たり前のように使っている今の世代にとって、とても自然。

けれど、小説で「仮想空間↔️現実」をとらえている作品は今までになかったような気がする。だから、おもしろい。 

『仮想人生』2019/01/10発売です。  

まだまだ書き足らないことがあるんだけど、いかんせん発売前の小説だからどこまで書いてしまっていいのかわからず。

とにかく、この小説はとてもいい。はあちゅうさんの今までの小説の中で一番好き。

冬の読書に、おすすめです。

 

 

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まるこさん
自分へのコンプレックス満載な30代OL「まるこ」が、大好きな勉強・読書で成長する過程を記録するブログです。 詳しいプロフィールはこちら